ペットの異物検査は画像検査機で可能

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最近はペットを飼っているご家庭も増えてきていますよね。ペットショップで幼いワンちゃんやネコちゃんを購入する方も多いのではないでしょうか。ですが、ごはんだけでなくおもちゃを口に入れる癖がある動物はとても多く、中には「誤嚥(ごえん)」といって異物を飲み込んでしまうこともあるのです。

今回は異物を誤嚥してしまったときの対策や、動物病院で行われる検査や治療、誤嚥の防ぎ方などについて話していきます。

誤嚥してしまったかも?すぐにするべき対応

大事なペットが誤飲してしまったと思ったらどうしたら良いのでしょう?まず動物が苦しそうにしていないか観察してください。気絶している場合や息苦しそうにしている場合は命の危険もありますので、夜中でも必ず動物病院に行きましょう。

とくに舌の色が白っぽかったり青紫になっている場合はとても危険な状態ですので急いでください。息をしていてもオエッといって吐きそうにしているときは可能であれば軽く背中を叩いてあげましょう。すぐに吐きだせれば一安心ですが、かみちぎっていたりお腹のなかでちぎれている可能性もあります。

必ずすぐに動物病院に行きましょう。吐き出せないときももちろん病院に行きましょう。

動物病院に行くときに必要なもの

誤嚥で動物病院に行くとき、どんな準備が必要なのでしょうか。動物が気絶しているときや息苦しそうなときは命の危険がありますので、何も持たなくてもいいのでとにかく急いで病院に行きましょう。かかりつけの病院でもよいし、別の動物病院でも大丈夫です。

吐き出すことができた場合や、家族の人出がたくさんあって少し余裕があるときに持っていくと良いものを書いておきます。あると助かるものは、ケージかリード、ペットシーツ、タオル、おくすり手帳、エサなどです。

動物は車の中や動物病院のなかで歩き回ってしまうので、逃げ出したりしないように、ケージかリードがあると便利です。また、移動中のおしっこやうんち対策にペットシーツを数枚持っていくと便利でしょう。タオルは色々なことに使えます。

うんちやおしっこをしたときにふき取ることができるだけでなく、病院で検査をするときに動物が暴れてしまうこともよくあり、大きめのタオルがあると体をつつんで優しくおさえることができるのでスムーズに検査してもらうことができます。

誤嚥したときは緊急手術になる場合もあり、麻酔をかける可能性があります。このとき、動物ではごくたまに麻酔が合わない体質の子がいたり、麻酔と薬の飲み合わせが悪いこともあるので、おくすり手帳があるととても助かります。

おくすり手帳でなくとも、病院に行った記録などをまとめたものなどでも便利です。また、手術した場合は基本的に入院になるので、食べなれたエサを1週間分程度持っていき、病院で与えてもらえると安心です。

普通の動物病院ではたいていエサが用意されていますが、好き嫌いがはっきりした性格の子や、他の病気があって特別なごはんが必要な子の場合はとくに大事です。

動物病院でどんな検査をするの?

誤嚥したとき、動物病院ではたいてい異物検査のための画像検査を行います。画像検査の種類にはレントゲン検査、超音波検査、内視鏡検査、CT検査、MRI検査などがありますが、誤嚥のときはレントゲン検査、超音波検査、内視鏡検査をよく行います。

どんな画像検査が必要かは獣医さんが判断してくれます。レントゲン検査は一番かかる時間が一番少なく、金属などの異物を検査することができます。X線を動物にあてて写真をとるだけなので、あまり長い時間をかけず麻酔も必要ないので、動物のストレスが少なく済みます。

ただし、金属はレントゲン検査でよくわかるのですが、やわらかいタオルやプラスチックなどの異物は検査できないことがあります。超音波検査は次に短い時間ででき、金属以外のものも検査できます。お腹にゼリーを塗って専用の機械でお腹の中を調べることができます。

レントゲン検査よりは時間がかかりますが、そこまで長時間ではなく、麻酔も必要ないことが多いです。また、レントゲン検査よりもやわらかい異物を検査できることが多いです。超音波検査の欠点もいくつかあり、ご飯を食べた直後は検査がしにくかったり、検査できない異物もゼロではありません。

内視鏡検査は人の胃カメラと同じで、鼻か口からお腹までカメラを入れ、ほとんどの異物をカメラで確認できます。ただし、人と違う点があり、カメラの管を入れると動物は痛がったり怖がったりして暴れてしまうため、麻酔をかけなければなりません。

麻酔をかけると時間がかかったり、体の負担が少し大きくなってしまいます。しかし、レントゲン検査や超音波検査で調べられない異物も検査できるうえ、小さい異物であればその場ですぐに取り出すこともできます。

誤嚥のとき、手術は必要?どんな治療をするの?

画像検査で誤嚥したものがお腹に残っているとわかった場合は、うんちとして出るのを待つか、手術で取り出します。動物の体格にもよりますが、とても小さいものであればうんちとして出るのを待ちます。これに対して、大きい異物を飲み込んでしまい、胃や腸が詰まる可能性があるときは、内視鏡検査かお腹を開く手術で取り出さなければなりません。

また、胃や腸の粘膜を保護する薬を飲むこともあります。どんな治療をするかは、獣医さんに判断してもらいましょう。

誤嚥でおこる怖い病気

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誤嚥したときにおこるかもしれない怖い病気がいくつかあります。おもちゃのヒモなど細長い飲み込んだ場合、胃や腸がねじれて「胃閉塞」や「腸閉塞」などになってしまう可能性があります。これになるとお腹に激痛があり、ひどい場合には死亡してしまう可能性もあります。

飲み込んだものが胃ではなく肺に入った場合、「誤嚥性肺炎」になってしまう可能性があります。これにかかると、息がしづらくなったり、体全体の調子が悪くなってしまい、最悪の場合死んでしまうこともあります。これらの病気にならないためにも、誤嚥したときは必ず動物病院に行きましょう。

誤嚥を防ぐためにはどうしたらよいの?

最後に、大切なペットを誤嚥から守るための対策についてです。まず第一に、飲み込めるような小さいものをできるだけ部屋に置かないようにしましょう。絶対に目を離してはいけません。また、ペットシーツやタオルなどをかみちぎって遊ぶ癖があるワンちゃんやネコちゃんは、知らないうちにたくさん飲みこんでしまう可能性が大きいので、かみちぎられるものは手の届く場所に置かない方が安心です。

また、ワンちゃんの場合は外で散歩をしますが、散歩中に石などを飲み込まないよう、目を離してはいけません。